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背中のこりを取る   

わたしたちの背部正中には脊柱・背骨があり、重い頭を支え、座位や立位の姿勢を保っています。その両側には身体運動を行うための丈夫な起立筋・背筋が位置し、上背部には肩関節を構成する肩甲骨があります。今回は左右肩甲骨の間、背部へのはり治療について記してみます。f0232160_17561335.jpg
 この部分は頚・肩・背中・腕にかかわる多くの筋肉が何層にも重なり合い、深いところには呼吸に関係する筋肉も存在しています。また、脊椎から脊髄神経が左右に出て、皮膚感覚、筋運動を支配し、自律神経と関連して胸部や腹部の内臓とも密接なつながりを持っています。この部分に最もよく表れる症状の筋のこわばりやこり、鈍痛などの痛みは、様々な原因による筋疲労や、血液やリンパ液の循環障害です。患者さんの訴えをよく聞き、丁寧な触診をしてこりの程度や範囲を見定めて、治療方針を説明して鍼を用意します。まずは一過性の症状としてのこりをほぐし、次に循環をよくするようにします。不愉快なこり感や鈍痛が和らぐと患部が温まり、患者さんの呼吸が静かに深くなり、脈拍も振幅が大きくゆったりしてきます。
 わたしの治療記録にも、背部へのはりによる内臓症状への有効例がたくさんあります。大正生まれの男性商店主(故人)。心臓や腎臓に障害があり、不整脈、ひどいめまいを訴えてよく治療にみえていました。頚肩から上部脊柱側へ丁寧な治療を行うと、脈が整い、ベッドから起き上がる際のめまいが消え、二人で喜びました。
 昭和7年生まれの奥さん。お姉さんのお通夜と葬儀で郷里へと帰り、帰宅f0232160_17591770.jpg後に不眠と食欲不振、それに浅いあえぐような呼吸を訴えて治療にみえました。話をよく聞いた後、こめかみ・頚・肩へはりを行い、上部の脊柱側を丁寧に処置していきました。治療の途中からウトウトしはじめ、ゆっくり静かな呼吸になっていきました。翌日も治療にみえましたが、昨夜はよく眠れ、食事も美味しくなったとのことでした。
 このほかにも脊柱側のはりは、急性・慢性の気管支症状の咳を鎮め痰の切れをよくします。呼吸による痛み、肋間神経痛、肋骨骨折の痛みをとり、回復を促進します。また、特に交感神経の働きを整えて、生活リズムを調整してくれます。
 はり術など体の外から刺激を与える治療は、気持ちいいと感じてもらえる治療が、効く治療です。心身のくつろぎが養生のはじまり、治療の第一歩なのです。
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by w74108520 | 2010-11-10 17:59 | 背中のこりを取る