カテゴリ:冬の養生( 1 )   

冬の養生   

冬の養生について東洋医学の古典から引用し解説します。

『素問』四気調神大論(02)よりf0232160_15485114.jpg
「冬の三月を、閉蔵と言う。
水は凍り、地は裂ける。陽気をかき乱してはならない。
早寝遅起き、必ず日が昇るのを待って起きる。
志は伏せて、静かにしておく。
私意ある如く、すでに得るが如き、
寒をさりて温め、皮膚より洩らさず、気を奪われてはならない。
これが冬に応じること、養蔵の道である。
この気に逆らえば、腎をそこない、
春に足がしびれる病となり、生を助ける気が少なくなる。」

解説
 冬の3ヶ月を「閉蔵」といいます。万物が静かに沈み消極的になる時期です。春夏に消耗したものを回復する季節ですから、寒さから身を守り静かに過ごすことが必要です。

 この時期に夏と同じように「陽気」を外に発散し続けると、寒さに「熱」を奪われて、生命力をドンドン消耗していきます。そこで身体はこれを避けるために「気」の流れをできるだけ内側に引きとどめようとします。それは、木々が葉を落とし生命力の無駄な消費を防いでいる姿と考えてください。こうして、「寒を防ぐこと」「消耗した生命力を回復して各機能を修復すること」で、翌年の活動の基礎を作ります。

 冬の時期は、できるだけ夜更かしや早起きをしすぎて厳しい寒さに身体をさらすには避けてください。運動するときは自然界の陽気が盛んになる日中に適度に身体を動かす程度がよいでしょう。また、部屋の中の暖房は暖かくしすぎると身体の表面を開きかえって「陽気」の発散を強めてしまうので、少し低めにして服装の工夫にて身体の熱を逃げないようにしてください。

f0232160_1554510.jpg
 
                             梅蘭芳

 秋に収縮をはじめた細胞は冬になるとさらに圧縮され、身体の窓を閉じて、余計な代謝、活力の消費を抑える省エネ体制に入ります。そんな中、重要なのが「腎」です。体内から汚れた水分を浄化、再生する水分の循環システムをつかさどっています。 「冬は北。北は黒色、入りて腎に通じ、竅を二陰に開き、精を蔵す、その華は髪、充は骨、根は耳、その味は鹹、類は水、志にありては恐となす。」
「腎」の仕事は、津液(人体のすべての水分の総称)を浄化することです。99%はリサイクルして、尿として排泄するのは1%にすぎません。それにしても身体の70%近くを占めている水の手配を一手に引き受けているとはたいしたものです。さらに最近では、飲食物に含まれる農薬や添加物が多く、ストレスで血液は熱を帯びてドロドロ、空気の汚れや薬の毒など増えていく一方です。これら全てを解毒せねばいけません。
そんな負担がかかっている人が必要以上に食べたり、夜更かししたり、落ち込んだり、怒ったりしていると「腎」も休む暇もなくオーバーヒートしてしまいます。翌日には、瞼は腫れる、足は浮腫。さらに立ち仕事のよる疲れや足腰の冷えが重なる女性では、生理不順や排尿バランスが崩してしまいます。

 「腎」の働きを助けるのは「鹹」(塩味)です。とり過ぎは禁物ですが、適度な塩分は腎を刺激して津液の流れを助け、身体を活性化します。その反対に甘味は津液を滞らせ「腎」の働きを妨げます。

  最後に、冬に無理をすると必ず春になっても「陽気」の発動が鈍くなります。手足がだるくなったり、鼻血が出たりすることもあります。繰り返しますが、寒さから身を守り静かに過ごすことが必要です。
f0232160_1551654.jpg

                      長岡 長生橋 冬 夕暮れ





(新潟 長岡 はり きゅう 鍼灸)
[PR]

by w74108520 | 2010-11-10 20:54 | 冬の養生